【FP2級】変額保険とこども保険(生命保険商品❸)
今回は変額保険とこども保険を解説します。変額保険は運用実績に応じて死亡保険金と満期保険金がどうなるかを理解しましょう。
- 変額保険の終身型と有期型を理解する
- 変額保険の死亡保険金(基本保険金)と満期保険金を理解する
- こども保険(学資保険)の特徴を理解する
変額保険
変額保険とは
“変額保険”とは、保険会社の運用実績に応じて、保険金や解約返戻金が変動する生命保険です。
保険会社が契約者から集めた保険料を株や債券で運用し、この運用実績次第で保険金や解約返戻金の金額が増減するわけです。
このため、定額保険(通常の定期保険や終身保険)と比べて、投資性が高いといえます。
変額保険の保険料は、定額保険の一般勘定とは別の“特別勘定”で運用されるのが特徴です。
- 定額保険:一般勘定で運用
- 変額保険:特別勘定で運用
終身型と有期型
変額保険には終身型と有期型の2種類があります。
- 終身型:保障は一生涯で満期なし
- 有期型:満期になると満期保険金を受け取れる
いずれも運用実績に応じて保険金や解約返戻金は上下しますが、契約時に定めた基本保険金は最低限保障されます。
順番に見ていきましょう。
終身型(終身保険タイプ)
“終身型”には満期がなく、終身保険タイプとも言われます。
図のとおり、運用実績に応じて死亡保険金(または高度障害保険金)の金額は増減します。
ポイントは運用が不調の時に死亡しても、契約時に定めた基本保険金の額は最低保障されると言うことです。
ただし、最低保障されるのは死亡保険金(または高度障害保険金)だけで、解約返戻金は最低保障されません。
この点はFP2級試験で頻出なので、必ず覚えておきましょう。
有期型(養老保険タイプ)
“有期型”には満期があり、契約期間中に死亡した場合は死亡保険金(または高度障害保険金)、満期まで生存していた場合は満期保険金がもらえます。
このため、有期型は養老保険タイプとも呼ばれます。
終身型と同じく、死亡保険金(または高度障害保険金)には基本保険金の最低保障があります。
一方、満期保険金には最低保障がなく、運用実績により増減します。
解約返戻金にも最低保障はありません。この点は終身型と同じです。
- 変額保険(有期型)では、運用実績によっては死亡保険金の額が基本保険金額を下回ることがある。○か×か?
-
正解は”×”です。変額保険では運用実績によって死亡保険金の額が変動しますが、契約時に定めた基本保険金額は最低保障されます。ただし、満期保険金と解約返戻金に最低保障はありません。この違いは必ず覚えておきましょう。
こども保険(学資保険)
ここからは“こども保険(学資保険)”を解説します。
こども保険(学資保険)とは、子の教育資金を準備するための貯蓄性がある保険です。
一般的には親が契約者および保険金受取人、子が被保険者になります。
子供が小さい時に親に万が一のことがあると、教育資金が払えなくなってしまいます。
こども保険はそうしたリスクに対応する保険であり、契約期間中に親が死亡しても保険契約は継続し、以後の保険料は免除されます。
なお、満期保険金は親の生死に関わらず受け取れます。
一般的には子の年齢が18歳になる年を満期とする商品が多いです。
- こども保険では、契約期間中に親(保険契約者)が死亡した場合、死亡保険金が支払われる。○か×か?
-
正解は”×”です。親が死亡した場合、以後の保険料支払いは免除されますが、死亡保険金は支払われません。死亡保険金が支払われるのは子(被保険者)が死亡した場合です。
親が死亡した場合と子が死亡した場合の違いを理解しておこう。
ちなみに子供の教育資金を準備する方法には、教育ローンや奨学金もあります。
詳しくはこちら↓の講義で解説しています。
今回の学習は以上です。
変額保険とこども保険は出題傾向がはっきりしているので、しっかり復習しておきましょう。
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