不動産

容積率〜規制内容と計算方法〜

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
今回はいよいよ建築基準法の最終回です。建ぺい率と並んで実技試験で超頻出の「容積率」を学習していきます。もうひとふんばりです!

容積率

容積率とは

容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ面積の割合のことです。

延べ面積とは、建物の床面積の合計のことです。例えば1階と2階が50㎡、3階が40㎡の建物の場合、延べ面積は140㎡となります。

容積率は次のような計算式で算出します。

 

$$容積率(%)=\frac{延べ面積(㎡)}{敷地面積(㎡)}\times100$$

 

例えば、100㎡の敷地に対して、延べ面積240㎡の建物を建てた場合は、下の計算式のとおり、容積率は240%になるということです。

$$\frac{240㎡}{100㎡}\times100=240%$$

指定容積率

建ぺい率と同じように、容積率も用途地域によって上限が定められています。

例えば、第一種低層住居専用地域では50%と定められることもあれば、商業地域では1,000%以上に定められることもあります。

この容積率の上限のことを「指定容積率」といいます。

例えば、敷地面積が200㎡、その敷地の指定容積率が150%の場合は、延べ面積300㎡(200㎡×150%)を限度に建築できることになります。

前面道路の幅員による容積率の制限

敷地が接する道路(前面道路)の幅員が12m未満の場合、指定容積率と以下の計算で求める数値の小さい方が容積率が上限になります。

  • 住居系用途地域の場合…前面道路の幅員×40%
  • 住居系以外の用途地域の場合…前面道路の幅員×60%
カピバラくん
カピバラくん
なにを言っているんだ?

少しわかりづらいと思うので、練習問題で見てみましょう。

この敷地は前面道路の幅員が12m未満であるため、「前面道路の幅員による容積率の制限」を受けます。

この敷地の用途地域は第一種住居地域であり、「住居系用途地域」であることから、前面道路の幅員(6m)に40%を乗じます。

6×40%=2.4 → 240%

次に上の式で算出した240%と指定容積率の300%を比べ、小さい方がこの敷地の容積率の上限となります。つまり、240%が容積率の上限になるということです。

以上から、200㎡×240%=480㎡が、この敷地の最大延べ面積となります。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
少しイメージできたかな?もう1問やってみよう!

この敷地も前面道路が12m未満なので、「前面道路の幅員による容積率の制限」を受けます。

用途地域は商業地域で、「住居系以外の用途地域」に当たることから、前面道路の幅員(10m)に60%を乗じます。

10×60%=6 → 600%

この数値と指定容積率を比較すると、指定容積率の400%の方が小さいですね。

したがって、200㎡×400%=800㎡が、この敷地の最大延べ面積になります。

カピバラくん
カピバラくん
なるほどな。まあ何回かやれば覚えられそうだな

建ぺい率では、「特定行政庁が指定する角地にある建物」や「防火地域内の耐火建築物」に該当する場合の緩和がありましたが、容積率にはこのような緩和はありません。混同しないようにしましょう。

建ぺい率 ・特定行政庁が指定する角地→+10%緩和
・防火地域内で耐火建築物を建築→+10%緩和
・建ぺい率80%の防火地域で耐火建築物を建築→+20%緩和(100%=無制限となる)
容積率 上記のような緩和は無し!

 

敷地が容積率の異なる地域にまたがる場合

敷地が容積率の異なる用途地域にまたがる場合は、どのようにして最大延べ面積を求めれば良いのでしょうか。

答えは「用途地域ごとにそれぞれ最大延べ面積を求めて足す」です。

建ぺい率と同じ考え方ですね。

今回も練習問題で見ていきましょう。

敷地(A)と(B)では建ぺい率が異なるため、それぞれ最大延べ面積を算出します。

まずは敷地(A)からいきましょう。

敷地(A)の指定容積率は200%となっていますが、前面道路の幅員が6m(12m未満)であることから、「前面道路の幅員による容積率の制限」を受けます。

用途地域は第二種住居地域で、「住居系用途地域」に当たることから、前面道路の幅員(6m)に40%を乗じます。

6×40%=2.4 → 240%

この数値と指定容積率を比較すると、指定容積率の200%の方が小さいですね。

したがって、80㎡×200%=160㎡が、敷地(A)の最大延べ面積になります。

次に敷地(B)です。

敷地(B)についても、前面道路の幅員が6m(12m未満)であることから、「前面道路の幅員による容積率の制限」を受けます。

用途地域は近隣商業地域で、「住居系以外の用途地域」に当たることから、前面道路の幅員(6m)に60%を乗じます。

6×60%=3.6 → 360%

この数値は指定容積率の400%よりも小さいですね。

したがって、120㎡×360%=432㎡が、敷地(B)の最大延べ面積になります。

最後に、(A)と(B)の最大延べ面積を足して、敷地全体の最大延べ面積を求めます。

160㎡+432㎡=592㎡

以上のとおり、最大延べ面積は592㎡になります。

ところで、「練習問題❸の土地全体の容積率を求めよ」と問われるケースもあります。

その場合は、(A)と(B)それぞれの容積率とそれぞれの土地の面積を加重平均して求めます。

少し難しく書きましたが、要するに次のように計算するわけです。

$$\frac{592㎡(160㎡+432㎡)}{200㎡(80㎡+120㎡)}\times100=296%$$

したがって、練習問題❸の土地全体の容積率は296%ということになります。

こちらの計算方法も押さえておきましょう。

しば犬くん
しば犬くん
考え方は建ぺい率と同じです。練習問題❸ができれば容積率の問題はほぼ大丈夫なので、計算方法をしっかり身につけておこう!

建築基準法で間違えやすいポイント

最後に、規制が異なる地域にまたがって建物を建築する場合、それぞれどのような扱いになるのか整理しておきましょう。

用途地域 敷地が複数の用途地域にまたがる場合は、敷地の過半の属する方(面積が大きい方)の制限が適用される
防火地域 敷地が防火地域、準防火地域、無指定地域にまたがる場合は、厳しい方の規制が適用される
建ぺい率・容積率 敷地が建ぺい率や容積率が異なる地域にまたがる場合は、各地域ごとに計算して最後に足す。
※「加重平均して求める」と表現されることもあります。
カピバラくん
カピバラくん
ひっかけ問題に注意だな。これで終わりか?
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
おつかれさま!長かった建築基準法もこれでおしまいです。FP2級では必ずと言っていいほど出題されるから、しっかり復習しておくことをオススメするよ。次回は「農地法」を学習していきます。