不動産

不動産の投資判断〜DCF法とNOI利回り〜

*このページは2020年3月21日に更新しました

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
今回のテーマは不動産の投資判断です。DCF法やNOI利回りなど聞きなれない言葉が出てくるけど、分かりやすく解説するから安心してくださいね
今回の目標
  1. DCF法にもとづく収益価格の計算ができるようになる
  2. NPV法、IRR法、DSCRの考え方を理解する
  3. 単純利回りとNOI利回りの違いを理解する

DCF法

DCF法とは

最近はサラリーマンによるワンルームマンションへの投資など、不動産投資という言葉が身近になってきました。

不動産投資を行う場合、将来期待した収益が得られるかどうか、事前に採算分析を行うことが欠かせません。

採算判定の代表的な手法の1つが、「DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)」です。

DFC法とは、不動産が保有期間中に生み出す純収益と保有期間終了後の売却価格(復帰価格)を現在価値に割り引いて、投資対象不動産の収益価格を求める手法です。

カピバラくん
カピバラくん
ぜんぜん意味がわからん!そもそも現在価値ってなんだ?

たとえば、今もらえる100万円と1年後にもらえる100万円では価値が異なります。

100万円を年利3%で運用すれば1年後には103万円になるわけですから、1年後ではなく、今すぐに100万円をもらった方が有利ということになります。

逆にいえば、年利3%で運用できるなら、1年後にもらえる103万円は現在の100万円と同じ価値といえますよね。

このように、将来の価値を現在の価値に割り引いたものを現在価値といいます。

上の例では、103万円が将来価値、100万円が現在価値ということになります。

DCF法による収益価格の計算

たとえば毎年500万円の収益を生み出す不動産を3年間保有し、3年経過後に6,500万円で売却する場合を考えてみましょう。

単純に収益と売却価格を足すと8,000万円(500万円×3+6,500万円)になりますが、DCF法による収益価格は現在価値で算出されるため、8,000万円よりも低く評価されます。

では、具体的にどうやってDCF法にもとづく収益価格を算出するのか、過去問を解きながら考えてきましょう。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
複雑そうに見えるけど実は簡単だから安心してね!

DCF法による収益率(現在価値)は、将来価値に複利原価率を乗じて求めます。

1年後の純収益:500万円×0.962
2年後の純収益:500万円×0.925
3年後の純収益:500万円×0.889
3年後の売却価格:6,500万円×0.889

これらの合計が、DCF法による収益価格となります。

したがって、選択肢2が正解です。

カピバラくん
カピバラくん
ほうほう。たしかに難しくはないぞ!

NPV法とIRR法

NPV法(正味現在価値法)

次に「NPV法(正味現在価値法)」を解説します。

NPV法とは、DCF法にもとづく収益価格から投資予定額を差し引き、プラスであれば投資価値ありと判断し、マイナスであれば投資価値なしと判断する方法です。

たとえば、DCF法による収益価格5,000万円、投資価格が4,000万円の不動産であれば、投資価値ありと判断するわけです。

一方で、DCF法による収益価格5,000万円、投資価格が6,000万円の不動産は、投資価値なしと判断するということです。

IRR法(内部収益率法)

続いて「IRR法(内部収益率法)」を解説していきます。

IRR法では、まずDCF法にもとづく収益価格が投資額と同じになる「内部収益率」を求め、内部収益率が期待収益率を上回っていれば投資価値ありと判断し、下回っていれば投資価値なしと判断します。

期待収益率とは、投資家が「これくらいのリターンは期待できるだろう」と考える平均的な収益率のことです。

ちょっとイメージがわかないかもしれませんが、FP2級対策としては、次のポイントだけ押さえておけば大丈夫です。

  • 内部収益率 > 期待収益率 なら投資価値あり
  • 内部収益率 < 期待収益率 なら投資価値なし

DSCR(借入金償還余裕率)

不動産投資を行う際、自己資金の不足分を借入金で調達することがあります。

むしろ、全額自己資金で調達できるケースが稀で、自己資金と借入金を組み合わせるケースの方が一般的といえるでしょう。

しかし、借入をするということは、元利金(元金と利息)の返済が発生します。

DSCR(借入金償還余裕率)」とは、元利金返済額に対してどれくらい収益に余裕があるかを見る指標で、「年間キャッシュフロー÷年間元利金支払額」により求めます。

DSCRの値が大きいほど返済に余裕があることになります。

しば犬くん
しば犬くん
NPV法・IRR法・DSCRは、計算方法までマスターする必要はないよ!考え方だけ理解だけしておけば大丈夫!

単純利回りとNOI利回り(純利回り)

不動産投資の収益性を評価する尺度として、利回りという考え方があります。

利回りには様々な種類がありますが、FP2級対策としては次の2つを理解しておきましょう。

  • 単純利回り = 年間の総収入 ÷ 総投資額
  • NOI利回り(純利回り) = 年間の純収益(収入ー諸経費) ÷ 総投資額

要するに、経費を加味しないのが単純利回りで、経費を加味するのがNOI利回りです。

この違いはしっかり押さえておきましょう。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
今回の学習はここまでです。次回は、不動産の証券化と不動産投資信託(J-REIT)を解説します。不動産の学習もいよいよ大詰めです!