相続・事業承継

【FP2級】会社法〜会社の種類と株式会社の設立

yagihashi
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生

いよいよ「相続・事業承継」の最終回!今回のテーマは会社法です。ここから1問出題されることがあるので、最後まで気を抜かずにいきましょう。

会社法

会社法とは

会社法とは、会社のルールを定めた法律のことです。

会社の設立方法や取締役会の運営、帳簿保管のルールなどが定められています。

FP2級では細かい知識は問われないので、ポイントを絞って解説していきます。

会社の種類

会社法では会社の種類(形態)が定められています。

日本の会社の90%以上は「株式会社」ですが、実は他の会社形態もあります。

FP2級で詳細は聞かれませんが、4つの会社形態と出資者責任は押さえておきましょう。

株式会社合同会社合資会社合名会社
出資者責任有限有限有限/無限無限
※合資会社は有限責任の出資者と無限責任の出資者が存在します。

出資者責任?有限とか無限ってなんだ?

カピバラくん
カピバラくん

有限責任というのは、会社が多額の負債を抱えて倒産しても出資額以上の責任は負わないということです。対して無限責任の場合は、負債がなくなるまで個人資産を出してでも返済が求められます。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生

ポイントは、株式会社と合同会社の出資者は有限責任であるということです。

仮に会社が倒産しても、原則として出資額以上の責任は求められません。

ちなみに合同会社と聞くと馴染みはないかもしれませんが、かの有名なAppleやGoogleの日本法人も合同会社だったりします。

合同会社は設立費用が安く、株式会社と比べて設立しやすい点がメリットです。

特例有限会社

有限会社という会社形態は2006年の会社法施行により廃止され、全て株式会社として扱われるようになりました。今でも有限会社が多数存在するのは、もともと有限会社であった会社の社名変更に伴う混乱を避けるため、有限会社の表記を使い続けることを法律で認められているからです。このように”表記は有限会社だけど中身は株式会社”である会社を「特例有限会社」と呼びます。

しばいぬくん
しばいぬくん

どの会社形態にも最低資本金はありません。1円でも会社を設立できるということです。

株式会社の組織

株式会社では必ず株主総会を設置しなければなりません。

非公開会社の取締役会設置は任意ですが、設置の有無に応じて必要な取締役の数が異なります。

取締役監査役
取締役会あり3人以上必要
取締役会なし1人以上任意

必要な取締役の数は押さえておきましょう。

取締役の任期は原則3年監査役の任期は原則4年です。

ただし、定款で定めればどちらも最長10年まで延長することができます。

公開会社と上場会社

取締役会の設置は非公開会社では任意ですが「公開会社」では必須です。
公開会社とは株式の譲渡制限(※)がない会社を指します。
(※)発行会社の許可なく他人に株式を譲渡することの制限。
取引所に株式を上場する「上場会社」とは意味が異なるので注意しましょう。
上場していなくても譲渡制限がない株式を発行している会社は「公開会社」です。
なお、全株式に譲渡制限の規定がある会社を「株式譲渡制限会社」といいます。

株式会社設立の流れ

ここからは株式会社設立までのざっくりとした流れを解説します。

定款の作成・認証

定款とは会社の基本ルールを定めた書類のことで、作成は必須です。

定款は公証役場で公証人に認証してもらう必要があります。

これを「定款認証」といいます。

資本金の払い込み

発起人等の口座に資本金を払い込みます。

資本金の金額は1円以上で定款に定めた金額になります。

法務局で登記申請

会社の本社所在地を管轄する法務局に登記申請書を提出し、会社設立登記を申請します。

登記が完了すれば登記完了証が交付され、晴れて会社の設立に至ります。

税務署への届出

登記が完了してもまだやることがあります。

その1つが税務署への届出です。

まず、設立登記の日から2か月以内に納税地の所管税務署長に「法人設立届出書」を提出する必要があります。

また、設立第1期目から青色申告の承認を受けたい時は、設立から3か月を経過した日と第1期の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までに「青色申告の承認申請書」を提出しなければなりません。

カピバラくん
カピバラくん

会社つくるのも大変なんだな

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生

ほかにも年金事務所や労働基準監督署に提出する書類があります。このあたりはFP2級で問われる可能性は低いので、解説は省略します。

過去問チャレンジ

FP2級の試験対策として、実際の過去問を解いてみましょう。

会社法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 公開会社とは、その発行する全部または一部の株式に譲渡制限のない株式会社のことであり、金融商品取引所に上場することが義務付けられている。
  2. 株式会社は、設立時に最低資本金額として100万円が必要である。
  3. 株式会社が取締役会を設置する場合、2人以上の取締役を置かなければならない。
  4. 株式会社が特定の株主から自己株式を有償で取得する場合、株主総会の特別決議が必要となる。

(2021年9月 FP2級学科)

それでは解説していきます。

❶不適切。
公開会社とは、上場の有無に関わらず、譲渡制限のない株式を発行している会社を指します。上場会社と公開会社は言葉の意味が異なるので注意しましょう。
なお、全ての株式に譲渡制限の規定がある会社を株式譲渡制限会社といいます。

❷不適切。
最低資本金額は「1円」です。これは株式会社以外の会社形態でも同じです。

❸不適切。
取締役会を設置する場合は3人以上の取締役が必要です。
ちなみに取締役会を設置しない場合は取締役が1人以上いればOKです。

❹適切。
設問の通り、有償で自社株式を取得するには株主総会の特別決議が必要です。

以上より、正解は❹です。

まとめ

FP2級試験対策として、今回の学習内容のまとめです。

会社法まとめ
  • 株式会社と合同会社の出資者責任は有限
  • 会社は資本金1円から設立できる
  • 取締役会あり・・・取締役は3人以上
    取締役会なし・・・取締役は1人以上
  • 取締役は任期3年、監査役は任期4年
    ※定款で10年まで延長可能
  • 株式会社設立には、定款認証や設立登記などの手続が必要
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生

長かった「相続・事業承継」も今回が最終回です。
FP2級の試験範囲では点数を稼ぎやすい分野なので、ぜひ復習して知識を定着させてくださいね。お疲れさまでした!

番外編(おまけ)

最後に、もうちょっと詳しく会社法を学びたい方向けにおすすめの本を紹介します。

法政大学の柴田先生の著書「教養としての会社法入門」です。

主に以下のような方におすすめできます。

この本をおススメしたい人
  • 教養として会社法を学びたい
  • でも小難しい法律書では眠くなる
  • かといって簡単過ぎるのも嫌

初心者にも分かりやすく解説してくれているのでスラスラ読めます。

かといって簡単すぎるわけでなく、必要な情報は十分に網羅されているのが特徴です。

少なくとも私が書店で見比べた中では、最も分かりやすい会社法の解説書でした。

FP2級でここまでの知識は求められませんが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

ちょっとだけ会社法に詳しくなれます。

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