相続・事業承継

【FP2級】直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税

*このページは2020年7月29日に更新しました。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
前回に引続き、贈与税の特例を学習していきます。今回のテーマは「直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税」です。
今回の目標
  1. 住宅の種類(省エネorそれ以外)に応じた非課税限度額を理解する
  2. 特例を受けるための条件を理解する

直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税とは

「住宅取得資金の贈与の非課税」とは、直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定額までは贈与税が非課税になる制度です。

直系尊属とは父母や祖父母のことです。反対に直系卑属は子や孫のことを指します。

要するに、父母や祖父母からの住宅取得資金の贈与については、通常の贈与よりも税制上優遇されるということです。

ただし、本制度はあくまで住宅取得資金の贈与が対象であり、住宅そのものの贈与は対象外となります。

この点は「贈与税の配偶者控除」とは異なるので、注意が必要です。

住宅そのものの贈与 住宅取得資金の贈与
贈与税の配偶者控除 対象 対象
住宅取得資金の贈与の非課税 対象外 対象
しば犬くん
しば犬くん
贈与税の配偶者控除との違いはしっかり押さえておこう!

非課税限度額

ここでは「住宅取得資金の贈与の非課税」を利用した場合、いくらまでが非課税になるのか学習します。

次の表で整理しておきましょう。

<非課税限度額>

省エネ等住宅 それ以外の住宅用家屋
2019年4月〜2020年3月 3,000万円 2,500万円
2020年4月〜2021年3月 1,500万円 1,000万円
2021年4月〜2021年12月 1,200万円 700万円

上の表のとおり、贈与を受けた時期(正確には贈与契約をした時期)によって、非課税限度額が異なります。

また、同じ年に贈与を受けても、省エネ住宅かどうかで非課税限度額が異なってきます。

省エネ等住宅とは、断熱性能などの省エネ基準や一定の耐震性能を満たしている住宅を指します。地球温暖化や地震に配慮した住宅は税制上優遇されるというわけですね。

たとえば、2020年9月に直系尊属から2,000万円の贈与を受けて省エネ等住宅を購入した場合、1,500万円までは贈与税が非課税となり、残りの500万円にだけ贈与税が課せられるということです。

カピバラくん
カピバラくん
この表ぜんぶ覚えなきゃダメなのか?
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
基本的には、受験する年の非課税限度額だけ覚えておけば大丈夫!

ところで、「住宅取得資金の贈与の非課税」は暦年課税の基礎控除(110万円)や、相続時精算課税制度(2,500万円)と併用することができます。

暦年課税の基礎控除(110万円)と併用できるのは、「贈与税の配偶者控除」と同じですね。

「住宅取得資金の贈与の非課税」は、暦年課税の基礎控除または相続時精算課税制度と併用が可能。

特例を受けるための条件

「住宅取得資金の贈与の非課税」の特例を受けるには、いくつか条件があります。

大きく分けて、贈与を受ける人の条件と取得する住宅の条件があるので、順番に見ていきましょう。

贈与を受ける人の条件

贈与を受ける人の条件として、次の2つを押さえておきましょう。

  • 贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上であること
  • 贈与を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること

1つ目の条件は、「1月1日時点」というのがポイントです。たとえば8月に20歳になった人が、その年の10月に贈与を受けても特例の対象にはなりません。

2点目の2,000万円という数字も覚えておきましょう。高所得者は優遇してもらえないということです。

カピバラくん
カピバラくん
たしか確定申告も2,000万円からだったな

取得する住宅の条件

贈与を受けた住宅取得資金で購入する住宅にも条件があります。

次の2つを押さえておきましょう。

  • 家屋の面積が50㎡以上240㎡以下であること
  • 中古住宅の場合、耐火建築物であれば建築後25年以下、耐火建築物以外であれば建築後20年以下であること

1つ目の条件ですが、要するに狭すぎたり広すぎる住宅は対象外ということです。上限の240㎡という数字は暗記しておく必要があります。

2つ目の条件は少し複雑なので、余裕があれば覚えておけば良いでしょう。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
今回の学習はここまでです。次回は贈与税の特例のラスト!教育資金の一括贈与と結婚・子育て資金の一括贈与の特例を学習していきます。