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【FP2級】直系尊属からの一括贈与の非課税措置〜教育資金と結婚・子育て資金の特例〜

*この記事は2020年8月1日に更新しました。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
今回は「教育資金の一括贈与の非課税措置」と「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置」を解説するよ。 贈与税の学習もいよいよ最終回です!
今回の目標
  1. 特例を受けるための条件を理解する
  2. 非課税限度額を理解する
  3. 2つの特例の違いを正しく理解する

教育資金の一括贈与の非課税措置

教育資金の一括贈与の非課税措置とは

直系尊属からの教育資金の一括贈与の非課税措置」とは、直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた時に、最大で1,500万円まで贈与税が非課税になる特例のことです。

この特例を利用するには、贈与者・受贈者ともに要件があります。

次のポイントをおさえておきましょう。

贈与者 ・直系尊属であること(父母や祖父母)
受贈者 30歳未満の子や孫であること
・前年の合計所得金額が1,000万円以下であること

特に「受贈者は30歳未満」というのは重要なので覚えておきましょう。

この特例は、暦年課税の基礎控除、相続時精算課税制度の特別控除、直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税と併用可能です。

さらに、この後学習する「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置」とも併用可能です。

また、非課税枠は受贈者ごとに利用できます。

「受贈者ごと」というのは、例えば祖父からの贈与について、兄と弟がそれぞれ1,500万円の非課税枠を利用できるということです。

非課税限度額

先ほど、1,500万円まで非課税になると解説しましたが、これはあくまで学校等(幼稚園、小中高校、大学、専門学校など)に直接支払う金銭の限度額です。

カピバラ君
カピバラ君
ってことは習い事はダメなのか?
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
いいところに気が付いたね!実は習い事も非課税の対象になるよ。ただし、非課税限度額は500万円までという制限があるんだ。ここは試験で頻出だよ!

つまり、入学金など学校に直接支払う金銭は1,500万円まで非課税ですが、習い事など学校以外に支払う金銭は500万円までが限度になります。

通学定期代なんかも、学校以外に支払う金銭になります。

学習塾などの習い事や通学定期代に500万円超使ってしまうと、超過した分が贈与税の課税対象になってしまうので注意が必要です。

  • 教育資金の非課税限度額は1,500万円
  • ただし、学校等以外に支払われる金銭は500万円が限度!

また、受贈者が23歳以上の場合、学校以外に支払われる金銭は非課税の対象にはなりません。例外は、教育訓練給付金の支給対象になる講座などに金銭を支払う場合です。

この点も余裕があれば押さえておきましょう。

制度開始の手続き

この制度を利用するには、金融機関に教育資金口座を開設し、金融機関経由で教育資金非課税申告書を提出する必要があります。

贈与を受けた教育資金は教育資金口座に預け入れ、必要な時に払い出しを行います。

払い出しを行った場合は、それを教育資金に充当したことを証明するために、金融機関に領収書等を提出します。

実際に教育資金に支出した金額のみが非課税になるということです。

支払い金額が1万円以下で、かつ年間24万円までは領収書に代えて支払い金額の明細を提出してもOKです。

少額であれば簡単な手続きが認めてもらえるということですね。

しば犬くん
しば犬くん
制度開始時の手続きは、あまり出題されないから流し読みで大丈夫!重要なのは次の契約終了時の取扱いです!

契約終了時の取扱い

教育資金口座の契約は次のような場合に終了します。

  • 教育資金講座の残高がゼロになった場合
  • 受贈者が死亡した場合
  • 受贈者が30歳に達した場合

では、契約が終了した時に口座に残高が残っていた場合はどうなるのでしょうか。

次のポイントをおさえておきましょう。

  • 受贈者が死亡した場合、残高があっても贈与税は非課税
  • 受贈者が30歳に達した場合、残高が贈与税の課税対象

受贈者の死亡により契約が終了した場合は非課税、受贈者が30歳に到達して契約が終了した場合は課税対象となります。

少しややこしいですが、FP2級で出題されることがあるので、正確に理解しておきましょう。

教育・子育て資金の一括贈与の非課税措置

教育・子育て資金の一括贈与の非課税措置とは

直系尊属からの教育資金の一括贈与の非課税措置」とは、直系尊属から結婚や子育てのための資金の贈与を受けた時に、最大で1,000万円まで贈与税が非課税になる特例のことです。

教育資金の特例とセットで覚えておくと良いでしょう。

この特例を利用するの贈与者・受贈者の要件は次の通りです。

贈与者 ・直系尊属であること(父母や祖父母)
受贈者 20歳以上50歳未満の子や孫であること
・前年の合計所得金額が1,000万円以下であること

次のポイントをおさえておきましょう。

暦年課税の基礎控除、相続時精算課税制度の特別控除、直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税、教育資金の一括贈与の非課税措置とも併用可能です。

また、祖父からの贈与について、兄と弟がそれぞれこの特例を利用するなど、非課税枠は受贈者ごとに利用できます。

このあたりは教育資金の特例と同じですね。

非課税限度額

先ほど解説した通り、この制度の非課税限度額は1,000万円です。

ただし、結婚のために支出する金額は300万円が限度になっています。

1,000万円全てを教育資金に使うことはできますが、結婚資金に使えるのは300万円までということです。ここは大変重要なポイントです。

カピバラ君
カピバラ君
豪華な結婚式代まで非課税にはしてやらんということだな
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
あくまで子育て資金がメインということだね。ところで教育資金の特例は、学校に直接支払う以外の支出は500万円が限度でした。混同しないようにしよう!

制度開始の手続き

この制度を利用するためには、金融機関に結婚・子育て資金口座を開設し、金融機関経由で結婚・子育て資金非課税申告書を提出する必要があります。

支払い後に領収書等を提出するのは教育資金の特例とほとんど同じです。

契約終了時の取扱い

結婚・子育て資金口座の契約は、受贈者が死亡したり、50歳に達した時点で終了します。

契約終了時に残高が残っていた場合の取り扱いをおさえておきましょう。

  • 受贈者が死亡した場合、残高があっても贈与税は非課税
  • 受贈者が50歳に達した場合、残高が贈与税の課税対象

年齢が50歳であること以外は教育資金の特例と同じです。

注意しなければならないのは、贈与者が死亡した時の取り扱いです。

結婚・子育て資金の特例では、贈与者が死亡した時点で口座に残高があると、遺贈または相続により財産を取得したものと見なされ相続税の課税対象になります。

一方で、教育資金の特例では、贈与者が死亡しても相続税は課税されません。

この点は取り扱いが異なるのでおさえておきましょう。

カピバラ君
カピバラ君
なるほど。全体的に教育資金の方が優遇されてるんだな

まとめ

「教育資金の一括贈与の非課税措置」と「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置」は非常に似ている制度ですが、取り扱いが異なる点もあります。

最後に2つの特例の違いを整理しておきましょう。

教育資金 結婚・子育て資金
非課税限度額 1,500万円
*学校以外は500万円まで
1,000万円
*結婚資金は300万円まで
受贈者の年齢 30歳未満 20歳以上50歳未満
贈与者が死亡した時 残高があっても課税なし 残高が相続税の課税対象
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
贈与税の学習はここまでです。贈与税の計算方法や各種特例はしっかり覚えられたかな?次回からは相続税の学習です!

>>相続税の基本〜相続人と法定相続分〜