不動産

用途制限と接道義務

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
今回から4回に分けて建築基準法を学習していきます。「不動産」のカテゴリーでは建築基準法の攻略が要(かなめ)です。学科でも実技でも頻出なので、しっかり学習していきましょう!

建築基準法とは

建築基準法とは、建物を建てる時のルールを定めた法律です。

具体的には次のようなルールがあります。

1.用途制限 用途地域によって建てられる建物と建てられない建物がある
2.接道義務 建物は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない
3.高さ制限 用途地域によって建物の高さに制限がある
4.防火規制 特定の地域では建物を耐火建築物にしなければならない
5.建ぺい率 敷地面積に対して建物の建築面積には制限がある
6.容積率 敷地面積に対して建物の延べ床面積には制限がある
カピバラくん
カピバラくん
これ全部覚えなきゃならんのか?
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
ちょっと不安かもしれないけど、1つずつ丁寧に解説していくから安心して!今回は「1.用途制限」と「2.接道義務」を学習していくよ!

用途地域と用途制限

用途地域の種類

用途地域とは、建物の用途が制限される地域のことです。

前回の「都市計画法」では、次のことを学習しました。

では具体的に用途地域にはどういった種類があるのでしょうか。

用途地域は全部で13種類あり、このうち住居系が8種類商業系が2種類工業系が3種類あります。

住居系(8種類) 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
田園住居地域
準住居地域
商業系(2種類) 近隣商業地域
商業地域
工業系(3種類) 準工業地域
工業地域
工業専用地域

ちなみに「田園住居地域」は、2017年4月に新たに追加された用途地域です。

古いテキストを使っていると記載されていない場合があるので注意しましょう。

しば犬くん
しば犬くん
住居系8、商業系2、工業系3!この数字は必ず押さえておこう!

用途制限

用途制限とは、用途地域ごとに建設できる建物を制限する決まりのことです。

例えば、第1種低層住居地域は、「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されています。

このため、高さが低い住宅は建築できても、高層マンションやカラオケ店、工場などは建てられないといった制限があるわけです。

一方で工業専用地域では、工場を建築することはできますが、住宅や小学校、老人ホームなどは建てられません。このあたりは感覚的にわかると思います。

宅建の試験やFP1級では、用途地域ごとの制限を詳細に覚える必要があります。

しかし、FP2級ではそこまで詳細は求められませんので、最低限として次のポイントを押さえておきましょう。

  • 診療所・保育所は、全ての用途地域で建設できる
  • 住宅・老人ホーム・図書館は、工業専用地域以外であれば建設できる
  • 幼稚園・小学校・中学校・高等学校は、工業地域および工業専用地域以外であれば建築できる
しば犬くん
しば犬くん
ほかにも、ナイトクラブは住居系用途地域には建設できないとか、病院や大学は低層住居専用地域には建設できないなど、色々な決まりがあります。このあたりは、常識的に考えればなんとなく分かるはず

ところで、用途地域が2つ以上にまたがる土地の場合、どの用途地域の規制が適用されるのでしょうか。

答えは「面積が過半を占める用途地域の制限が全体に適用される」です。

100㎡の敷地で、近隣商業地域に70㎡、商業地域に30㎡またがる場合は、敷地全体に近隣商業地域の制限が適用されるということです。

この点はFP2級試験で頻出なので、しっかり押さえておきましょう。

接道義務

道路とは

建築基準法では「幅員4m以上(特定の区域では6m以上)の道路」のことを道路と定めています。

幅員(ふくいん)とは、道路の幅のことです。

裏を返せば、幅員4m未満の道路は、建築基準法では道路とは言わないわけです。

カピバラくん
カピバラくん
それは知らんかったぞ

ただし、次のような例外があります。

4m未満でも、建築基準法の施行時に現に建物が建ち並んでいた道路で、特定行政庁の指定を受ければ、建築基準法上の道路とみなされる(2項道路)

このような道路を「2項道路」といいます。

建築基準法42条2項に定められているため、このように呼ばれています。

ちなみに、特定行政庁とは「建築主事を置く地方公共団体の長」のことを指しますが、都道府県知事や人口の多い市町村の長だと思っておけば良いです。

接道義務

接道義務とは「建物は道路に2m以上接していなければならない」という決まりのことです。

ここでいう道路は建築基準法上の道路のことであり、定義は先ほど学習した通りです。

つまり、敷地が幅員4m以上の道路(または2項道路)に「2m以上」接していなければ、建物を建てることができないわけです。

カピバラくん
カピバラくん
なんでこんな決まりがあるんだ?
ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
それはね、火災に対応するためだよ。道路が狭くて消防車が入れないと、小さな火災が甚大な被害に広がってしまうかもしれない。それを防ぐための決まりなんだ!

セットバック

ところで2項道路に面した建物で火事が起こった場合、道路が狭くて消防車が入れなかったら大変です。

既に建ち並んでいる建物は特別に認められていても、それはあくまで例外です。

このため、2項道路に面した敷地に建物を再建築する場合、次のようなルールがあります。

道路の中心線から2mまでの部分は道路とみなし、建物を再建築できない

(この2m後退させてできたスペースを「セットバック」といいます)

例えば幅員が3mの場合、道路の両側の敷地はそれぞれ0.5m後退させなければならず、そのスペース(セットバック部分)には建物が建てられません。

これにより、実質4m(3m+0.5m+0.5m)の幅員を確保するというわけです。

では、幅員3mの道路で、片側が河川や崖の場合はどうなるのでしょうか。

答えは、「片側の敷地を1m後退させる(その部分には建築できない)」です。

これにより、実質4m(3m+1m)の幅員になりますね。

「あくまで道路の幅員は4m確保する」と覚えておきましょう。

建物の近くに広い空き地があるなど、特定行政庁が安全に支障がないと認めたときは、接道義務は適用されません。例外として頭の片隅に入れておきましょう。

ヤギハシ先生
ヤギハシ先生
今回の学習はここまでです。建築基準法は長丁場だけど、頑張って付いてきてね!次回は「建築基準法(2)」です。建物の高さ制限と防火規制を学習していきます。