- 国の教育ローン(教育一般貸付)を理解する
- 日本学生支援機構の奨学金制度を理解する
国の教育ローン
教育資金と教育ローン
子どもにかかる教育資金は小学校から大学まで、ずっと公立でも1,000万円くらい、私立だと2,000万円くらいかかると言われています(医学部はそれ以上!)。
特に子どもが大学に進学するとなると、入学時にはまとまった資金が必要になることに加え、仕送りや下宿費用がかかることから、早めに資金を準備しておく必要があります。
大学入学への備えとして、例えば「学資保険」を利用する方法があります。
とはいえ、大学にかかる資金を全てを自己資金でまかなうのは大変な話です。
そこで頼れるのが教育ローンです。
教育ローンには、民間金融機関の独自の商品と、国の教育ローンがあります。
FPの試験で出題されるのは、国の教育ローンの方です。特徴をおさえておきましょう。
国の教育ローン(教育一般貸付)のポイント
国の教育ローンは正式には「教育一般貸付」と言います。特徴は次の通りです。
- 融資限度額は350万円(6か月以上の海外留学の場合は450万円)
- 大学の入学金や授業料だけでなく、下宿費用や定期代、教科書やパソコンの購入代金の支払いなどに使ってもOK
- 子どもの人数に応じて年収制限がある(年収が多すぎる人は借りられない)
- 返済期間は原則15年以内
- 金利は固定金利
- 借入の窓口は日本政策金融公庫
奨学金制度
日本学生支援機構の奨学金制度
教育資金の手当てとして、日本学生支援機構の奨学金制度を活用する手もあります。
教育ローンでは契約者の親が返済するのに対して、奨学金制度では基本的に学生が卒業後に返済することになります(返済自体が不要な奨学金もあります)。
奨学金は誰でも利用できるわけではなく、親の年収や子の学力による選考が行われます。
親の年収が多かったり、高校の成績が基準に満たない場合は、奨学金制度を利用できないこともあるので注意が必要です。
奨学金の種類
日本学生支援機構の奨学金として、次の3種類をおさえておきましょう。
- 貸与型(第1種奨学金)…無利子
- 貸与型(第2種奨学金)…有利子(ただし、在学中は無利子)
- 給付型…返済自体が不要
このように、貸与型には「第1種奨学金」と「第2種奨学金」の2種類があり、その違いは利子の有無です。第1種が無利子で第2種が有利子です。
給付型は2017年に創設された制度で、無利子であるうえに元金の返済も不要です。
こちらは、住民税非課税世帯や生活保護を受けている家庭など、経済的に困窮した学生に対象が限定されています。
それぞれの違いをしっかり整理しておきましょう。